奈良の門跡寺院、山村御所円照寺の抹茶碗

代々皇室の縁者が門跡に就任する奈良市帯解の山村御所 円照寺で作陶された黄瀬戸の抹茶碗です。
明治から昭和の初めにかけて門跡をなさっていた 伏見の宮文秀女王殿下 の愛用品で、この殿下から直接ご下賜になった方から伝わってきました。
明治から大正期にかけてのお品だと思います。
殿下は、赤膚焼の作家に師事され作陶をなさっており、裏面に「山村御所」の陶印が押されています。
殿下の跡を継がれた、山本子爵のご息女 山本静山(先代 山村御流家元) の親しい方が学徒動員で出征のおり円照寺に籠り、手慰みに作陶した茶碗にもこの「山村御所」の印が押印され、しかも、籠ったのがごく短期間であったにも関わらず焼成までされているところを見ると、この頃にも円照寺に窯が存在していた可能性があります。
 今回、掲載した黄瀬戸茶碗と同時に、殿下からご下賜賜った色紙や香合、前記の出征された方が作陶された茶碗や写真類が当方に伝わってきましたので、間違いない物だと確信しています。
 なお、少しホツがありましたので金継を高名な方に依頼しましたとき、この方が「こんな扱いやすく、飲みやすい碗」は見たことがないと述べられました。
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