香炉の蓋摘まみに獅子が多いのは

今日、来られたお客様から「香炉の蓋摘まみに獅子像が多いのは何故か」との質問がありました。

実は私も同じことを考えていますが、「昔、中国からの招来物に獅子像が多いから」ということが記載された書物を覚えています。

この説には、なるほどと思いますが、中国が発祥の地なら龍や鳳凰が多いのではとも思ってもいます。

私は、香炉が日常道具だけでなく、仏教道具として清めに使われたことから獅子像になっているのではないかと思っています。

お釈迦様(ゴータマシッタルーダ)が悟りをされて、最初の説教をされた初転法輪のときに獅子が吠えるがごとき力強い説法をされたと謂われています。

そして、古代インドで仏教布教に力を尽くされたアショカ王が佛蹟を顕彰する石柱を立てられたとき、石柱の上部には獅子を乗せられたのもこの初転法輪の故事からとの説があります。特に、ゴータマシッタルーダがお生まれになったルンビニーに石柱を立てられたときには、上部に四方に咆哮する四匹の獅子を配置されていますのは、この初転法輪のときの吼えるがごときの説法を四方に伝えるのを表現したと謂われています。

また、文殊菩薩は、百獣の頂点に立つ獅子をも従わす力を持っていることを示すため獅子に乗っていると謂われています。

これらの由来から、私は獅子像が香炉の蓋にも乗せられているのではないかと思っています。

ブッダを蓋の摘まみにするのは不敬ですが、象徴の獅子なら許されるのではないでしょうか?

ブッダを仏像(姿)で現すのでなく、蓮の花や、菩提樹や、佛足で現しますように。